キャンピングカー検討雑記5 ~エンジン検討編~

キャンピングカー

前回までにエンジン選定を行うための検討としてガソリンエンジンとディーゼルエンジンのランニングコスト、走行性能面の比較を行いました。ここまでの検討では、私の基準ではディーゼルエンジンに軍配アリとなりました。

今回は用途面を考慮した駆動方式(2WD/4WD)の検討を行おうと思います。私の4WDに対する印象は、走破性能は確実に優れているが、価格が高いところに難があると言う感じです。要は、お金の余裕があれば4WDにしたいけどね...と言う様な羨望的な感じでしょうか。

詳しく検討をしてみます。

用途面の比較

2WDと4WDの比較項目は操作性を含めた性能とコストかと思います。

真冬の活動を考えるのであれば4WDはかなりの魅力となります。ブレーキ時、アクセル時共に姿勢安定性は非常に優れています。雪道の下り坂を走る時の安心感は捨てがたいものが有ります。4輪にエンジンブレーキがかかる事によりスリップを抑えてくれるのと、もし滑りが発生したとしても直ぐに路面をキャッチして補正してくれます。また、2WDだとハイエースはFR(後輪駆動)になりますので、FF(前輪駆動)に比較して更に雪に弱いです。2WDだと重量が重い為、スタッドレスを履いていても多分雪道は厳しいでしょう。通常の道だったら重い車体の場合FRの方がぐいぐい車を押し動かしてくれて良いのですが、雪道でタイヤが滑りやすくなると、FRは本当に動かなくなってしまうリスクが高くなります。

また、4WDは冬だけでなく、海岸などの砂地、雨により緩んだ泥地、山間部の傾斜地でも優れた走行性能を示します。

この様に明らかに安定性に関しては2WDに比較して4WDは優れています。しかし、これはあくまでも悪路を走る事を前提とした4WDのメリットであり、悪路を走らない前提で考えると4WDの性能以外のデメリットが目立ってきます。

以下にデメリットを記述します。

【車両重量が重くなる】

4WDは駆動輪を増やすため当然部品点数が多くなり、重量が重くなります。重量が重くなると加速も悪くなるし、止まり辛くなるし、燃費も悪くなります。2WDに対して4WDはディーゼルエンジンの場合で約130kg程度重くなります。ザックリ4WD車は2WD車に比較して大人二人分を常に乗せて運転しているイメージとなります。ただでさえ重い車なのに、更に大人二人分を常に乗せていると言うのは結構インパクトの大きいポイントです。

【最小回転半径が大きくなる】

ハイエースの2WDはFR(後輪駆動)です。4WDだと前輪も駆動させることになるため、最小回転半径が大きくなります。標準ボディ車(車幅1,695mm)で5m→5.2m、ワイドボディ車(車幅1,880mm)で5.2m→5.4mです。20cm程度の違いですが、ただでさえ小回りの利かないキャンピングカーでは気になるところです。

【トラブルリスクが高くなる】

2WDに比較して駆動部分が多くなりますので、よりトラブルリスクは高くなると考えた方が良いでしょう。出かけ先でのトラブルは最悪ですよね。妻と一緒に旅行をしてトラブルになったら、何を言われるか分かったものではありません。心穏やかな旅行の為にもトラブル回避は非常に重要なファクターです(^^;)

以前乗っていたデリカ4WDは10年近く乗り続けたのですが、終盤の方ではエンジントラブルが頻繁に起こる様になり、もっと乗りたかったのですが諦めた覚えがあります。4WDだからエンジントラブルが多くなったとは言い切れませんが、4WDはトラブルリスクが高いのではないかと実感しています。

【フルタイム4WDはハンドリングが悪い】

ハイエースの4WDはフルタイム4WDです。2WDに比較して確実にハンドリングがアンダーステア気味(操作した通りに曲がらない傾向)になります。

昔乗っていたデリカはフルタイムではなく、マニュアル切替での4WDだったのですが、4WDモードにすると、雪道ではない通常の道を走るときは、結構アンダーステアになってしまうため、通常走行時は常に2WDにしていました。

最近のフルタイム4WDは操作性も向上しているようですが、それでも2WDに比較するとハンドリングは悪い傾向です。

【4WDは初期コストが高い】

4WDは2WDに比較して車両価格が高くなります。ハイエースの場合約30万円の違いが出ます。ガソリンとディーゼルの違いが40万~50万円ですので、ガソリン2WDと比較するとディーゼル4WDは70万~80万円高くなります。また、ガソリン車だと標準で付いていた装備がディーゼルだとオプション扱いになる場合もあるため、ざっくり100万円程度ディーゼル4WDはガソリン2WDより割高と見た方が良いようです。また、燃費も4WDの方が2WDより割高になります。この様に考えると、燃料費も高騰している中、コスト的に4WDの選択はなかなか難しいような気がします。

燃費に対する過去記事の下記も参考にして下さい。

まとめ

2WDと4WDの比較を行ってきましたが、結論としてはノーマル環境での走行性能、コストパフォーマンスを損ねてでも、雪道や悪路での使用頻度が高いので悪路走行性能を重要視して4WDにするといった視点で2WDと4WDの選択をすることになりそうです。

我が家の場合はどうなのかを想像すると、個人的な好みでは4WDに魅力を感じるのですが、雪道を走らなければいけない頻度、2WDでは厳しい様な悪路を走らなければいけない頻度は年に1,2回かと思われます。そうすると4WDの必要性を感じるのは10年間で10~20回程度となり、この程度の頻度に対して30万円程度の2WDと4WDの初期費用差を良しと考えるかという判断になりそうです。我が家は北関東にあるため、昔は結構雪が降った覚えがあるのですが、最近は温暖化影響かもしれませんが、ほとんど降らなくなりました。冬に山に近づかなければ、4WDのありがたみは感じないかもしれません。

こう考えると4WDは必須とは言えないかもしれません。でもいざという時の保険と割り切れば、4WDもありです。昔デリカ4WDに乗っていた時は、雪道走行時に4WDにしておいて良かったと思ったことが何回かありました。でもそう感じたのは数年に1回程度だったような気もします。なかなか2WDと4WDのどちらが良いかを選択するのは難しいです。予算に余裕があれば保険で4WDにするのも良いかと思います。

初期費用の約30万円を10年乗り続ける事を考えて1年3万円の保険費用と考えて導入するのも一つの手ではあります。日本人は保険好きな傾向があるそうですが、日本人的な感覚では4WDもありなのかもしれません。でも保険とはそもそも、もしその非常事態が起きてしまったら生活が破綻してしまう様なリスクに対してかけるものです。非常事態とは、雪道で2WDだったために事故を起こしてしまったと言う感じでしょうか。この場合、事故を起こした際の相手への補償や車への保証は自動車保険で賄えます。また、2WDで雪道を走行する事態になった場合は、当然気を付けて運転しますので、命を落としてしまう様なリスクは考えづらいです。

この様にうだうだ考えると我が家に4WDは必須ではないと言う結論になりそうです。

次回は乗り心地面からの比較を行おうと思います。