キャンピングカーの検討雑記3 ~ベース車検討編~

キャンピングカー

キャンピングカー検討のブログを開始して3回目となります。

燃料(ガソリン/ディーゼル)、走行性能(出力/トルク)、駆動(2WD/4WD)、ボディータイプの順に検討を進めています。前回までに燃料検討=エンジン選定検討として、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの特徴をリサーチしました。

今回はエンジン種類によるランニングコスト面での比較検討を主に行います。ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン共に特徴があり、選択の為の選択基準の正解が何なのかは難しいところですが、燃料高騰の折もありますので、ランニングコストの重要性は高まっているかと思います。

つい数年前まで1リッター当たりのガソリン価格は100円以下だったのですが、今は150円を超えるレベルになっています。1990年のバブル崩壊以来日本は物価、給料がなかなか上がらず、失われた30年と言われ、このままでは失われた30年が40年、50年になってしまうのではないかと言われてきました。しかし、新型コロナを始めとした今まで経験したことのないショックが立て続けに世界を襲い、日本も大きく揺さぶられました。政府や日銀が望んでいたインフレ状況が今来ています。物価は今後もっと上昇していくでしょう。あとは給料水準が上がって行けば30年来忘れていた好景気循環になるかもしれません。私も含めてですが、日本企業には頑張ってもらいたいものです。

景気が良くなることはこれからキャンピングカーを購入したいと思っている私には追い風だと思いますが、今後60才を過ぎて収入が確実に減ると思われるわが身を考えるとどうしてもランニングコストは重要なファクターと考えざるを得ません。燃料費は乗れば乗るほどかかる費用になりますので、しっかり検討したいと思います。

ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの比較まとめ

ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの優劣に対する比較表は下記となります。

◎は重点となりそうな項目です。キャンピングカーと言う特殊な環境・用途を考えると、静粛性や高回転時パワーはあまり重要ではないと考えています。なぜならキャンピングカーの本質はキャンプ、宿泊が目的なので、キャンプ、宿泊時には基本的にエンジンをかけていないのと、移動時もビュンビュンスピードを出す必要は無いと考えるからです。逆にスピードが簡単に出てしまうキャンピングカーは正直怖いです。でも馬力に対するストレスはあまり感じたくないため、低回転時トルクは重点項目としています。また、費用に関連する車両価格、燃料費、燃費は重要項目としました。

 ガソリンエンジンディーゼルエンジン
静粛性×
高回転時パワー×
低回転時トルク×
車両価格×
燃料費×
燃費×

基本的にガソリンエンジンとディーゼルエンジンの比較はこんな感じかと思います。この比較の中で、ガソリンエンジンが良いのか、ディーゼルエンジンが良いかはコスト面、走行性能面、乗り心地面と言った視点で比較する必要がありそうです。また、個人の好みも重要な判断基準かもしれません。私の場合は過去経験で、ガソリンエンジンのパワー不足、ディーゼルエンジンの力強さを具体的に経験しているので、なんだかんだと比較をしていますが、ディーゼルエンジンの方が好きと言うバイアスがかかっています。それでも客観的に自分の好みの正当性を示す為にも検討を進めていきます。

では、比較表をベースにコスト面、走行性能面、乗り心地面でもう少し深堀検討をしてみます。それぞれの判断基準は下記で考えます。

  • コスト面:車両価格の安いガソリン車とランニングコストが安いディーゼル車の選択
  • 走行性能面:高速性能に優れたガソリン車と力強さに優れたディーゼル車の選択
  • 乗り心地面:騒音、振動に優れたガソリン車と騒音はあるがランニングコストが安いディーゼル車の選択

今回はこの中で一番目のコスト面を検討してみます。

コスト面の比較

1.満タン時の燃料費

燃料単価を比較するとガソリンは軽油より20円ほど高い設定となっています。燃料タンク70Lを満タンにする費用はザックリ下記となります。

  • ガソリン:  150円/Lx70L=10,500円
  • ディーゼル: 130円/Lx70L =  9,100円

ガソリンエンジンの場合は1万円超えになります!タンク満タン時の値段差は1,400円です。通常の給油時の給油量は当然70Lより少ない量になると思われるため、平均50L程度の給油を考えると、1回の給油時のガソリンとディーゼルの給油額差は1,000円程度と思われます。1回の給油で1,000円程度の価格差であればフィーリング的にはあまりインパクトはありません。でも価格の絶対値で考えると、ガソリン車は50Lを入れると7,500円、それに対してディーゼル車は同じ50Lで6,500円と言った感じで、1,000円差とは言え、7,500円と6,500円ではやっぱり6,500円の方が良いと感じますね。

2.燃費比較

燃費はWLTCモード燃費でおおよその燃費性能が把握できます。WLTCモード燃費とは、2017年に採用された比較的新しい燃費基準です。Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycle=世界的に調整された自動車の試験方法の頭文字に由来する燃費基準で、世界統一基準となっています。それまでは10・15モードとかJC08モードと言う燃費基準が日本では採用されていましたが、この基準は基本的に測定モードが1つだけで、実際の運転環境の燃費との乖離(実際の燃費の方が悪い)が指摘されていました。それに対してWLTCモードは「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」の異なる3モードで構成されており、更に3モードの平均値となる数値を加えて合計4つの数値で分析した燃費数値です。様々な走行シーンを想定して計測されているため、より実燃費に近くなっています。

  • ディーゼル2WD 2.7L                        11.3km/L
  • ディーゼル4WD 2.7L                        10.8km/L
  • ガソリン2WD 2.7L                              8.8km/L
  • ガソリン4WD 2.7L                            8.1km/L

WLTCモードでハイエースを比較すると、ディーゼルはガソリンに比較して20%程度燃費性能が優れています。また、2WDは4WDに対してディーゼルエンジンで5%程度燃費性能が良くなり、ガソリンエンジンでは10%程度燃費性能が良くなります。ザックリ言うとディーゼルは燃費10km/L越え、ガソリンは燃費8km/L程度と言った感じです。これは明らかに感覚的にもディーゼルに分があります。

3.ランニングコスト

次に10万km走行した場合の燃料費用をシミュレーションしてみました。日本一周は約1.2万kmだそうですので、10万kmは日本を8周した程度の距離イメージになります。日本8周のイメージではよくわからない、と言われそうですので、もう一つの感覚例をあげます。1日30km走行すると年間10,950km、10年でザックリ10万kmです。こちらの方がイメージわきますかね?

  • ディーゼル2WD 2.7L                  100,000km/11.3km x 130円=115万円
  • ディーゼル4WD 2.7L                  100,000km/10.8km x 130円=120万円
  • ガソリン2WD 2.7L                      100,000km/8.8km x 150円=170万円
  • ガソリン4WD 2.7L                     100,000km/8.1km x 150円=185万円

10万kmまで走行すると、ディーゼル車はガソリン車に比較して2WDで55万円、4WD車で65万円程度ランニングコストが安く上がります。初期の車両本体価格はガソリン車の方が40万円~50万円安くなりますので、10万km程度乗る事を想定すると、ディーゼルの方が割安です。当然20万km程度まで乗ることを想定すると、ディーゼルの方が確実に割安となります。下記は走行距離によるランニングコストのグラフです。車両価格が安いガソリン車は購入時安いですが、走行距離が長くなるにつれてディーゼル車のトータルランニングコストが下がって行く事がわかるかと思います。

今回燃料費計算をしてみましたが、日本8周するには燃料費だけで100万円以上かかる計算です。日本一周分で約12万円です、高速代やいろいろな費用を考えると日本一周するには結構費用が掛かるのですね。この費用が高いかどうかは個人の価値観にもよりますが、毎年日本一周旅行が20万円程度で行えると考えると安いのかもしれません。公共機関で日本一周をするとしたら、とてもではありませんがこの費用では行えません。ちなみに1日30km走行すると考えると日本一周の1.2万km走るには400日=約1年かかります。1ヶ月で日本一周するにはザックリ400km/日は走らないといけない計算です。日本は結構大きいのですね。

また、コスト面ではリセールバリューも見逃せないポイントかと思います。キャンピングカーは結構リセールバリューが高いのですが、ディーゼルの場合はエンジンの耐久性が優れていることもあり、リセールバリュー的にはディーゼルの方が優れているようです。

まとめ

今回はエンジンのランニングコスト面からの比較を行いました。コスト面がエンジン選定のための一番重要なファクターではないかと思いますが、重要なファクターである事は確かです。ランニングコストが気になって長旅が出来ないのでは、なんのためにキャンピングカーを購入したのかわからなくなってしまいます。

10万km以上の長期乗用を考えると初期費用は高いがランニングコストの安いディーゼルに軍配が上がります。ただ、この判定は長期間、長距離を想定した判断です。あっという間にキャンピングカーに飽きてしまって、あまり乗らないと言う様な場合は、車両価格の安いガソリン車の方が良かったとなりかねません。

現在私が乗っている車は社会人になってから4台目です。1台当たり8年~10年程度乗っており、ほぼほぼ乗りつぶしている感じです。基本的に乗れる限りは乗ると言うのは私の車に対する想いですので、今回のキャンピングカーも長期にわたり乗り続けたいと思っています。そう考えると、今回のランニングコストを考えた比較だと、やっぱりディーゼルエンジンが私には合っていると思います。

次回は走行性能面の比較を行ってみます。